CASE No.4:DEPRESSION

激しくぶつかり合ううちに、

恋人たちはいつしか、

互いに愛し合うことを忘れ、

次第に傷つけ合うようになっていった。

男は女に暴力を振るうようになっていき、

女は必死にその傷を隠すようになっていった。

顔は決して傷つけない。

殴るのは、見えない部分だけ。

ひとしきり、殴ったあと

男は女を抱いた。

『自分を理解してくれるのは、君しかいない。』

だからたとえどんなに殴られたとしても、

彼は、私のことを愛している。

そのことを信じてやまない毎日が続いた。

そうして次第に女は心を病んでいった。

男は行き場のない怒りを抱え、

二人は闇の中をひたすらにさまよい歩いた。

いつになったら抜け出すことができるのか、

出口を探しているのかもわからずに・・・。

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