CASE No.2:PALACE

少女は祈り続けた。

あくる日も、あくる日も、祈り続けた。

“殺してやる”といくら心に誓ったところで、

あまりにも残酷な現実は、

少女にとってはどうすることもできないものだった。

少女は縋った。

ただひたすらに、

あの男がこの世から消滅することを。

もしくは、

自分自身が、この世から消えて無くなってしまうことを

この地獄が終わるなら、

一刻も早く、楽園へ向かえるのなら

方法はなんでもよかった。

そうして穴があくほどに十字架を見つめ

その心には逆十字を掲げ続けた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です